遺産分割協議とは
相続は、まず遺言が優先されますが、遺言がない場合には相続対象人全員での話し合いが行われます。誰がどの財産をどれだけ相続するかなどの処遇を話し合いますが、これを「遺産分割協議」といいます。その他、遺言によって遺産分割協議を指定されている場合にも、相続人全員での話し合いが必要となります。 遺産分割協議が成立するためには、全ての相続人が納得することが重要な条件となります。しかし、金銭や損得勘定が絡む問題であるが故に、円滑に進まないという状況も珍しくないのです。
相続人の確定
遺産分割協議を始める前に、相続人の確定を行う必要があります。被相続人の出生から死亡までの除籍謄本と改製原戸籍などを請求して、戸籍謄本によって相続人を確定します。 相続人全員の参加と合意が必要となる遺産分割協議では、協議終了後に新たな相続人の存在が発覚すると、協議をもう一度やり直す必要があるためです。戸籍謄本などを全て調査することで、相続人をしっかり確定して円滑な協議の進行につなげます。
相続財産の調査
不動産は登記簿謄本、銀行などの預貯金は通帳や残高証明書、保険金の紹介申請など財産を調査して確定しておく必要があります。
遺産相続に際して、財産として取り扱われる項目をご紹介します。
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プラスの財産
宅地、居宅、農地、店舗、貸地、権利書、地上権、定期貸地権、現金、預貯金、有価証券、小切手、株券、国債、社債、貸付金、売掛金、手形債権、株式、ゴルフ会員権、著作権、特許権、車、家財、骨董品、宝石、貴金属など
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マイナスの財産
借入金、保証金、未払金、固定資産税、手形債務、未払金、預かり敷金など
遺産分割協議の期限
相続が開始してから特に期限の設けはありませんが、分割協議を行わなければ財産の名義変更ができない状態が続きます。 また、相続税申告に際しては、申告期限までに遺産分割協議が成立していなければ配偶者の相続税額控除などの税額軽減の特例を受けられない可能性も発生します。 協議を伸ばしてプラスになることは少ないと考えることができますので、相続税対策としての観点からも速やかに行うことをおすすめします。